それぞれのクラウドサービスに、大容量ファイルを安定して送信するための色々な機能が
用意されていますが、ここでは「Box」のオプション機能について解説します。
※Chapterにつきましてはマニュアルに記載の表記となります。
マニュアルの入手方法はこちらをご確認ください。
| 分割アップロード: |
大きなファイルの送信途中で通信障害が発生した際、ファイルを先頭から 再度送信することを回避するための機能です。 |
Chapter4 での設定で「大容量ファイルの分割・連続ダウンロード」にチェックマークを入れると、
1ファイルが20MBを超える時にはチャンクドアップロードになります。
大きなファイルを小さなブロックに分割(チャンク)し、通信障害が起きてもそのブロック以降だけを再送信する方法です。
更にブロックごとに受信確認を待つ事による効率低下を少なくするため、受信確認を得る前に「複数ブロック」を送信し、アップロードスピードの向上を実現します。この「複数ブロック」をいくつにするかの指定が「並列アップロード数」です。既定値は「5」に設定されています。更に障害が起きた時のリトライする回数の指定が可能であり、「チャンクリトライ数」として設定します。既定値は「2」に設定されています。この設定回数を超えても送信できなかった場合には回線障害などが想定されるため、通信エラーとして処理が中断されます。
通信エラーや受信側の受取リエラ―をリカバリーするために再送信を小さくする機能ですが、一方で分割されたブロック毎に受信確認処理が行われるため、その分処理時間を要します。
Chapter10 で「分割アップロードを可能にする」 ここにチェックマークが入っている事を確認
「分割ファイル並列アップロード数」既定値:5
「チャンクリトライ数」既定値2
閲覧画面でBoxをクラウドサーバーとして表示している時の「設定」でも見る事ができます。
同様の処理をダウンロード時に利用する時は「設定」の中の【大容量ファイルの分割・連続ダウンロード】の項目にチェックを入れます。Chapter4 を参照してください。
Chapter4(マニュアル一部抜粋)
| a) [言語] | アプリケーション内の表示言語を[日本語]または[英語]に切り替えます。初期値は「日本語」です。 ※言語の切り替えを有効にするには、プログラムを一旦閉じ、再度スタートします。 |
| b) [テーマ] 画面色調選択 | Auto, Light, Dark の3種類から選択できます。 初期値は 「Auto」 です。 |
| c) [同時アップロード数] | 同時にアップロードするファイル数の上限を設定します。 初期値は「4」です。 |
| d) [同時ダウンロード数] | 同時にダウンロードするファイル数の上限を設定します。 初期値は「5」です。 |
| e) [転送のリトライ数] | 何らかの理由で移行または同期されないデータが発生した場合に、移行または同期を再度実行する回数を設定します。 初期値は「6」です |
| f) アップロード後ハッシュ比較を行う | アップロードしたファイルと元ファイルのハッシュ値を比較します。これはハッシュ値の取得が可能なクラウドでのみ有効です。 初期値は「OFF」(ノーチェック)です。 |
| g) ダウンロード後ハッシュ比較を行う | ダウンロードしたファイルと元ファイルのハッシュ値を比較します。これはハッシュ値の取得が可能なクラウドでのみ有効です。 初期値は「OFF」です。 |
| h) [ダウンロード速度を制限] | ダウンロードの通信速度を指定して、速度を制限します。ネットワークの流量をコントロールし、トラフィックを軽減することができます。 値は「OFF」、「700」KB/ s です。 |
| i) [アップロード速度を制限] | アップロードの通信を指定して、速度を制限します。ネットワークの流量をコントロールし、トラフィックを軽減することができます。 値は「OFF」、「700」KB/ s です。 |
| j) [帯域幅スケジューラを有効にする] | 「編集」ボタンを押し、曜日別、時間帯別指定を行います。 指定する曜日時間欄を選択し、右上の帯域幅指定に上下矢印で値を決め、「選択を設定する」ボタンで帯域幅を決定して下さい。 |
| k) [コマンドラインへの対応を有効化] | コマンドラインを使用した処理を実行する場合は、この機能にチェックマークを入れて、有効に設定することが必要です。 初期値は「OFF」です。 |
| l) [コマンドラインのパスワード] | コマンドラインを使用して処理を実行する場合は、パスワードを設定しておくことが必要です。 初期値は「OFF」です。 |
| m) [大容量ファイルの分割・連続ダウンロード (高速回線で DL 速度向上)] |
チェックマークを入れてこの機能を有効にした場合、20MB を超えるファイルは分割して送信されます。 アップロードでの設定については Chapter10 [アカウント情報を管理する]を参照してください。 初期値は「OFF」です。 |
| n) [「Data Migration Box」 起動時にパスワード入力を求める] | チェックマークを入れてこの機能を有効にした場合、ここで設定したパスワードを入力しなければ「Data Migration Box」は起動できなくなります。 初期値は「OFF」です。 |
| o) [隠し属性ファイルを表示] | 隠し属性ファイルを表示するか否かを設定します。この機能を有効にした場合、隠し属性ファイルが表示され、移行や同期の対象になります。 初期値は「OFF」です。 |
| p) [完了済みをクリア] | この機能を有効にした場合、「閲覧」ウィンドウ下部に表示される操作情報表示で、ステータスが「完了済」になった項目が、処理の終了後に表示されなくなります。未処理、異常結果だけを表示させたい時に使用します。 初期値は「OFF」です。 |
| q) [トレイ通知領域に最小化] | この指定をオンにするとアプリケーションウィンドウを最小化した時にWindows右下のトレイにアイコンが表示されます。 初期値は「OFF」です。 |
| r) [ファイルが削除された場合、ゴミ箱に移さず直接削除する] | ローカルで削除したファイルを強制的に削除します。 初期値は「OFF」です。 |
| s) [新規タブを開くコンテキストメニューを表示] | 新規タブ作成時に選択肢のプルダウンメニューを表示します。 初期値は「OFF」です。 |
初期アップロードなど、大量データをアップロードする際の注意点を解説します。
1.アップロード前の準備
クラウドサーバでのフォルダ設計
これまでグループサーバや個人用途のPCに保存されていたデータを共有サーバに保管する時にはフォルダ設計が必要です。組織に合わせアクセス権限も設定するため慎重に行わなければなりません。
クラウドサーバーを活用する上で、これまでの個別サーバやPCのデータをそのままコピーする運用は望ましくありません。予め効率的にファイルを整理し、格納場所や共有形態の見直しについて検討することを推奨します。
データの共有による情報活用の向上を図る事は、クラウドサーバー導入の大きな目的の一つであり、これを実現するために行うアップロードは貴重な機会です。アップロードの際は充分な検討時間を設け、ルールを明確にする事が重要です。
特に個人PCには共有すべきデータが多く含まれるケースが多く、なおかつ多くのコピーをそれぞれが所持していることから、この機会に「コピーをみんなが持つ」体制から「単一の情報を適切なアクセス権の管理の元で参照する」体制にする事が求められます。「みんなが持つ」体制の欠点の最たるものに、だれの持っているコピーが最新版かが不明となり、みんなが異なるバージョンを所有してしまう事や、コピーの数分だけ社内ストレージを無駄に浪費している問題があげられます。
初期のアップロード作業ではPCやサーバーからの「コピー」だけでなく、Data Migration Boxの同期機能を活用する事で分散されたコピーの単一化も行う事が可能です。クラウドサーバー上でのバージョン管理機能も有効な手段です。
クラウドサーバの「個人フォルダー」の保存データは極力少なくし、個人のアイデアを練るためのメモや外部の参考データに絞るなどのルール化が必要になります。社内データ漏洩を防止するためにも、情報は組織の共有財産との意識を高め、組織データには必要なアクセス権設定とアクセスの履歴を残す仕組みを考慮し、そのためにも最適なフォルダー構成は重要なカギとなります。
2.大量アップロードの時間見積り(クラウドサーバにBoxを利用する例です)
PCまたはローカルサーバ(場合によってはこれまで利用していたクラウドサーバ)から新たなクラウドサーバにデータをアップロードする時の見積りに影響する要素
⚫ データ量(データ量合計とファイル数)
⚫ アップロードに関連する機器の能力
⚫ PCの能力(ネット送信速度、ファイル読み込み速度、PCの処理速度)
⚫ ネットワーク(帯域幅、遅延)
⚫ クラウドサーバの能力(ネット受信速度、受入れ処理速度)
参考データ(Boxへの 100MBデータをファイルの大きさ、数を変えてアップロードした例)
この結果ではアップロード時間に一番大きな影響を与えたのは、データ量ではなくファイル数でした。これは上記の機器の能力の内、クラウドサーバの能力でありその中でも受入れ処理の時間だと推測できます。クラウドサーバでのファイル単位に行われる受入れ処理(伝送上のコードエラー検出、格納時のテーブル作成などが考えられます)の時間がネットワーク速度などに比較し多くの時間を要している事が伺えます。Data Migration Boxにデータ格納を行う時にも見られる現象でクラウドサーバの受入れ処理の変更やサーバ機器の能力向上などで変化する可能性もあります。
なお、100Mb1ファイルで時間が掛かっているのはチャンクドアップロードが実行されたためと考えられます。
(この例はあくまでもジャングル社内のPC環境とネットワーク環境を使用しアップロードを行った際のデータであり、環境の変化により結果は異なるものとなります。)
ファイル送信を行う時には1ファイルを送信すると、受信側からの「正常受信・格納完了」信号を待ち、その後次のファイル送信を開始するという順番で処理が行われます。この信号を一定時間受信しない場合は同じファイルの再送信処理を行います。ファイル送信終了から「正常受信・格納完了」信号を送信側が受け取るまでの時間が受信側の「受入れ処理の時間」になります。
上記の結果から、初期アップロードなど大量データのアップロード時間の短縮を図るためには、クラウドサーバのデータ受入れ処理を複数活用し、いかに多くの並列処理を実行できるようにするかがポイントになります。
並列処理を行うにはいくつかの方法があるので、以下に紹介します。なお、初期のアップロード時はクラウドサーバのフォルダーが空ですので、コピー処理ではなく同期処理を行っても「比較」処理に時間が掛からない為、コピー処理とほぼ同じ時間でのアップロード処理が期待できます。
「PC」と表記しますが、ローカルのサーバーにData Migration Boxをインストールしている場合はそのサーバーと読み替えて下さい。
なお、ご利用中のネットワーク速度がネックとなるケースについては、別途改善策の検討が必要です。
利用する方式:
1.【同時アップロード設定】
使用PC&Data Migration Boxライセンス:1
Boxアカウント:1ユーザー
Data Migration Boxで同時アップロード数を設定できます。Box側の処理で仮想複数ポートを利用するため、Boxでは上限を「5」に設定しています。Data Migration Box処理にPCのより多くの能力を使う事になります。Data Migration Boxで利用帯域幅の上限を設定している場合は、同時アップロードの合計が制限以内になるよう自動処理されます。Data Migration Box設定は Chapter4の使用環境の設定を参照して下さい。同時アップロード数、同時ダウンロード数が設定できます。
同時に通信障害などでファイル送信が中断された際のリトライ回数を設定して下さい。ここで設定した回数をリトライして正常受信信号が受け取れない場合は、通信エラーとして処理を中断します。
2.【複数タスクを立ち上げ並列処理(複数のBoxアカウントを利用)】
使用PC&Data Migration Boxライセンス:1
Boxアカウント:複数ユーザー
複数のBoxアカウントを取得し、Box側へ並列でアップロードします。Boxの処理資源がユーザーアカウント数分利用できるので、アップロード速度の向上が見込まれます。Data Migration BoxのUI同期処理で複数のBoxアカウントを登録し、複数の同期処理をスケジューラで登録したり、複数のコマンドラインで同時処理を実行する事が可能になります。
3.【複数のData Migration Box端末同時利用】
使用PC&Data Migration Boxライセンス:複数
Box アカウント:複数ユーザー
Data Migration Boxのライセンスを複数取得して同時に利用する形態です。複数台のPC、または社内ファイルサーバからのアップロードなどが考えられます。Boxの受入れ処理速度だけでなく、PC処理能力がネックになるようなケースで有効です。ネットワーク帯域は各PC処理量の合計分使用される事を考慮する必要があります。
前述の分割アップロードも含め、これらの方式を組み合わせて利用する事も可能です。ただし、同時並列数が増加すると、サーバの受入れ処理時間以外にネットワーク速度がボトルネックになるリスクも増加しますので、お客様環境に応じた柔軟な設計が必要です。
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